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FF12TZA(PS4)をやった感想


これまでFFは1~10-2までやってきたが、順番にということでオンラインのFF11を飛ばしてFF12(Final Fantasy XII; ファイナルファンタジー12)をクリアしたので、感想を残しておく。
一応裏ボスヤズマットまで倒したが、正攻法では歯が立たず、攻撃破壊というチート技を使ってしまった上での感想であるが・・・。





 

特徴

FF12はこれまでのFF10までと違いがかなりある。感想を含めて記載しておく。

バトル

これまで、FF1~3はターン制バトル、4~9はアクティブタイムバトル、10はカウントタイムバトルという形式をとっておりいずれの場合もエンカウント時に戦闘画面に移行してバトルを行っていた。
基本的にはバトルは戦闘画面内で収まり、敵味方が決められた順番に1人(体)ずつコマンドを実行していく。
FF12ではアクティブディメンションバトルとなり、時間だけではなく空間に対してもアクティブになっている。
モンスターはフィールド上に見えており(湧き出す場合もあるが)、敵もしくは味方が空間的に近づいて察知する/され攻撃を始めることで戦闘が始まる。
敵味方は戦闘中自由に動くことができ、離れることで逃げたりすることもできる。
攻撃には射程距離や射程範囲などの概念が存在しキャラクターの位置によって戦略が変わってくる。
ここまでの話だとよくあるアクションゲームっぽくなってしまうが、FFらしさとして、行動に対して待ち時間が発生し、行動を選択してからそのアクションを実行するまでゲージが溜まるのを待つ必要がああり、これまでのアクティブタイムバトルの要素が組み合わさっている。
味方は3人までバトルの参加でき(ゲストが入ったときには最大4人)、1人1人に指示を出すことができるが、ガンビットという指令書を作ればそれに従って味方が行動してくれるという新しいシステムがあり非常に便利である。
ガンビットはHPが低くなったらケアルをかける、睡眠状態の仲間がいたらエスナをかける、近くの敵に攻撃をするなどの司令を予め優先順位をつけてそれぞれのキャラクターにセットしておくことでその条件に合う行動を自動的にしてくれる非常に強力な自動化ツールである。
FF12は空間内で各々がそれぞれ戦闘行動をとっていて画面内が忙しい場合が多いが、このガンビットを用いることで細かい指示を出す必要がなくなるので効率がかなり上がる。
MPは時間経過で自動的に回復するのも今までと違うところである。
そして1000万を超えるHPを持つ裏ボスの存在などこれまでと規模が違うバトルも楽しめる。

ジョブとライセンス

FF12無印には無い(全ジョブに就ける状態)が、リメイク版のTZA(The Zodiac Age)にはジョブの概念がある。
各キャラには多少能力パラメーターの差はあれど、誰でも好きなジョブを選ぶことができる。
ジョブによって身につけられる能力(要するに昔のFFで言うアビリティ)が異なり、この能力をライセンスと呼び、戦闘で得られるAPを使ってライセンスを取得することでままざまな能力を身につけられる。
例えば武器や防具の装備にもライセンスは必要である。魔法や技は基本的にアイテムで入手し、それを使えるライセンスを身に付けた人が使えるという仕組みである。
ジョブは全部で12個存在し、1人2個まで同時につくことができる。基本的に一度ジョブを決めたら変えないのが普通である、一応変える方法はある。複数のキャラでジョブがかぶることは許容されている。
このシステムもFFっぽくて良い。

フィールド

非常に広大なのが本作の特徴である。
FF10のように一本道ではなく、縦にも横にも広がっている。
探索できる範囲やダンジョンはとても多く、冒険心がくすぐられる。天候の概念や場所によっては季節の概念が存在し、同じ場所でも訪れるタイミングによって違う景色になり、面白い。
本作の特徴としては同じ街やダンジョンを何度か違う目的で訪れることになるので各地に愛着が湧きやすいというのがある。
飛空艇はFF10のように場所を選ぶシステムである。
本作ではダンジョン・街・外などのフィールドの区別がなくセーブはセーブクリスタルがあるところで行える。セーブクリスタルにふれるとHP/MP/異常状態を回復できるのでFF10と同じようなシステムである。
非常に広大であるが上、迷いやすいが地図が優秀な上、移動中に透過表示できるなど、使い勝手が非常に良い。
探究心を非常にくすぐる良いフィールドシステムだと感じた。
そして見えないトラップがフィールドに点在し、引っかかるとHPダメージを受けたり、異常状態になったりしてしまい、かなり厄介。これだけはやめてほしい。

キャラクターとストーリー

本作では最終的に6人と冒険をすることになる。
主人公ヴァンとその友人のパンネロ, 空賊(いわゆる海賊の空版)のバルフレアとその相方のフラン、そして主人公が住む国ダルマスカの王女アーシェとその家来のバッシュである。
最序盤で全員が仲間になり若干抜けたり入ったりはするものの基本的にはこの6人は固定となる。これにNPCが1人パーティーに加わる場合もある。
ジョブとライセンスの頁で既に言及しているがキャラクター自体には多少の能力差はあるもののFF4/6/9にようにキャラに固定した個性はほとんどなく、ジョブにつくことでそれぞれの個性を作る形である。
ストーリー上の役割としてはきちんと分けられているが残念ながら、今作の主人公ヴァンは、ただそこにいるだけの存在であり、実質的にはバルフレアとアーシェの物語という感じである。
それはヴァンとパンネロはたまたまその場に居合わせたから同行しているだけという目的が薄い人たちなので仕方がないとは思うが、その辺が空気と呼ばれている所以であると考える。
主人公ヴァンとパンネロは声優がセリフを棒読み感があり感情があまり伝わってこない。パンネロはヒロインの割には本編では見た目は微妙だがエンディングで可愛くなる。
アーシェが実質的なヒロインであるが未亡人なため、今までのFFになかった新しい感じのキャラ設定ではあるがFFっぽい美しい女性である。実質主人公のバルフレアは普通に格好良い。
FF12はいわゆる人間のヒュム、うさぎのような耳が生えたヴィエラ、おなじみのモーグリ、FF初登場のバンガなど様々な種族が暮らしているイヴァリースという世界の一部(世界全体ではない)をめぐる物語である。
ストーリー自体は普通で特に奥行きがあるわけでもなく、とても感動するわけでも無いといった感じ。

ストーリー外クエスト

FF12はとにかくストーリー本編とは関係のないサブクエストやモブ討伐と呼ばれる特定のモンスターを退治するクエストなどが多数用意されており、非常にボリュームが多い。
ストーリー外で専用のダンジョンが複数用意されていたり、今まで訪れた場所でも別のエリアが開放されたり、ととにかくストーリー本編外のコンテンツがFF史上最も充実している。
ストーリー自体はそこまで長くないが、このストーリー外のクエストが非常に多いのでこちらをクリアすると本編のクリア時間の2~3倍かかるのではないかと思えるほどである。
そしてボリュームだけではなく、中身もやりごたえのあるコンテンツが揃っており、本編と比べ物にならない強さの敵やボスが多数待ち構えている。
あまり攻略サイトを見ずに大分遠回りをしながらヤズマットを倒すまでに140時間ほどかかった。(ヤズマットは攻撃破壊を使ってしまったが; そして全く攻略サイトを見ずにストーリー外クエストを開始・クリアするのはかなり難しく、調べながら進めざるを得ないことも多かった。なお本編は攻略を一切見なくてもクリアは十分に可能である)

音楽

FF10まで参加していた植松氏はFF12ではとうとう参加しなくなってしまい、音楽に関していかなり不安に思ったが、その不安は払拭された。
植松氏の音楽とは違うが、本作を主に担当している崎元氏の音楽もフィールドと一体化していて、聞き飽きることもなく、非常に良い曲が多いと感じた。
上から目線になってしまうかもしれないが今回は戦闘がシームレスに行われるので戦闘曲という概念がなくなり、戦闘をしていても不自然でないようなフィールド曲という難しいお題だったであろうが、きちんと場面にあった音楽になっていてよかった。
もちろん植松氏が原曲を担当したアレンジ(Final Fantasy/チョコボのテーマ/ビッグブリッヂの死闘/ファンファーレ)も残っているのでFF感は感じられる。





 

良かったところ

  • マップ切替時のオートセーブ機能は神。何回も助けられた。FF12は昔のDQ1の橋を越えるようにダンジョンのある区域から突然敵が急激に強くなったり、周囲の敵と桁違いのモンスター(アルケオエイビスやモブなど)がたまにウロウロしていたりトラップに引っかかったりで全滅してしまうなんてことがちょこちょこ起こる。セーブクリスタル外でもまっプリ変わり時に自動的にセーブしてくれて復帰できるのはかなりありがたい。
  • 冒険心くすぐる広大なフィールドが楽しい。それをサポートする冒険しやすい地図機能も素晴らしい。
  • やりこみ要素満載なストーリー外クエストで沢山遊べる。
  • 面白い裏ボス。HPが1000万を超えるという今までなかった何十分という長期戦の戦闘。
  • ガンビットによる斬新で効率的なオートバトル。
  • ジョブとライセンスシステムによる自分で個性を作っていける楽しみ。FF4/6/9のようにある程度キャラに能力的な個性を付与するのもとても良いがこのようにあまりかぶらない範囲で個性を作っていけるのは魅力的(もちろんジョブを複数キャラで重複させてもよいが武器の観点などからそれぞれ別のジョブにするのが多いのでは?)
  • 心地の良い音楽が良い。特にモスフォーラ山地、フォーン海岸、東ダルマスカ砂漠、ギーザ草原、セロビ大地の音楽が好き。




 

微妙なところ

  • 本編のストーリーが特に面白くない。つまらなくはないが、これまでのFFのように人間関係のストーリー上の発展や奥行きなどがあまりなく、普通。FF10などのように感動というのには程遠い。
  • フィールドに仕掛けられているトラップが本当にうざい。トラップが見えるようなアクセサリをつけて見えていて自分は避けても味方が勝手に踏んでしまう。せめて操作キャラだけがトラップの判定対象になればよいのにと感じる。そしてトラップ自体が本作品内でかなり多く、場合によっては全滅の原因になりかねない効果のものもあり、かつ必ずその上を通らないと先に進めない場所に設置してあることからとてつもなくたちが悪く、トラップを回避するためにはレビテガもしくはアクセサリでの対処しかないというのもイライラするポイントである。トラップのためだけにアクセサリ枠を1つ使うのはもったいないが、レビテガは時空魔戦士しか覚えられず、貴重な消耗アイテムを使うのも憚らるので、状況によっては対策が難しい場合もある。
  • 拾ったアイテムが見慣れない名前の時それが武器なのか防具なのかアクセサリなのか消費アイテムなのかトレジャーなのかが区別ができない場合は、全てのジャンルの持ち物を確認して新しく入手したアイテムを探し、効果を読まないとわからないというのが地味に不便。ペルソナ5も同じ傾向だがあちらは全アイテムを入手自覚が新しい順に並べ替えられるのですぐに探せる。「○○を手に入れた」の表示に「武器「〇〇」を手に入れた」とかジャンルをアイコンで表示するなどの配慮が少しあるだけでだいぶ違うと思う。
  • ミストナックという必殺技的なやつが対して強くない。もちろんコンボ前提なのはわかっているが、コンボにしても演出時間の割に期待するほどのダメージは出ない。召喚獣も使いみちがいまいちわからない。ライセンスボードを埋めるだけの存在と化している。




 

まとめ

これまで良かった点や不満点を挙げてきたが全体としては満足できるFFであると感じた。
FF1~12(11除く)で満足度順に順位をつけるとしたら FF10 > FF6 > FF4 > FF7 > FF5 > FF12 > FF9 > FF3 > FF8 > FF1 > FF2 (> FF10-2) となり、FF12は中間よりちょっと上という感じだった。

クリア時のレベルや時間↓

総合評価: ★★★☆☆
ストーリー: ★★☆☆☆
世界観: ★★★★☆
システム/UI: ★★★★☆
音楽: ★★★★☆
グラフィック: ★★★☆☆
キャラクター: ★★★☆☆
ボリューム: ★★★★★



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投稿日: 2021年11月1日
最終更新日:





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