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FF13-2(Steam)をやった感想


FF13をクリアしたら次はFF13-2(Final Fantasy XIII-2)ということでSteam版をやってみてクリアしたので感想を残す。
FF13の感想自体はすでに残しているがFF13ではスリリングで緻密な作戦が必要な完成度の高いバトルシステムとキャラクターの成長を描くストーリーが非常に良く、続編のFF13-2にもそれを期待してプレイした。

なお、地図のミッションと図鑑のミッションのフラグメントの入手、DLCのギルガメッシュはクリアできていないがそれ以外のミッションとラスボスも倒している状態でのレビューとなる。
一部ネタバレが含まれる場合があるがなるべくネタバレしないように記載するように注意する。





 

キャラクターとストーリー・世界観・音楽

ストーリーとしてはFF13のエンディング直後から始まる。突然消えてしまったライトニングを妹のセラが突然現れた未来人・ノエルと探すというのがストーリーのあらましである。
世界各地にあるゲートを通じて時空の行き来ができ、時代を行き来して歴史を変えていくことで姉・ライトニングが消えた謎に迫るというストーリーである。
FF10-2はFF10の世界をほぼそのまま使いまわしだったが、FF13-2は同じ世界ではあるものの場所は違うところが多いので基本新しいマップになっている。
キャラクターとしてはFF13のメインキャラクターはストーリー上では出てくるが、パーティーとしては出てこず、基本セラとノエルとモーグリで行動する。
時系列を自由に行き来できることが裏目に出ているのかセラとノエルの関係性やキャラクターとしての成長などの描写はあまり描かれていない。
それもあってかセラとノエルは成長の伸びしろがあまりないくらい成熟している設定になっていように見受けられ、プレイヤーの感情移入のしやすさという観点だと良くないと感じた。

FF13では「パルスのファルシのルシがコクーンでパージ」みたいなカタカナの専門用語が多いという批判も一部あったが、本作はFF13の続編なのでFF13をプレイしる前提のため、そういった言葉での戸惑いなどはないだろう。逆にFF13をプレイしていない人がいきなりFF13-2をやるのはストーリーや登場キャラクター的に楽しめない可能性が高い。

肝心なストーリーだが、うーんといった感じである。めっちゃ悪いわけでもないし良いとも思わない。
FF13は少し難解ではあるもののストーリー自体に矛盾や疑問などは特に感じず、比較的すんなり入ってきたし、中身に重厚感があり、仲間の成長など見どころもたくさんあった。
一方でFF13-2は腑に落ちないところが所々あったり時系列的にどの順番で回っても成り立つストーリーにしなければならないシステムの都合上、ストーリー間の繋がりや奥行きがなくなっていると感じる。
短編集を読んでいるような感覚である。そして何か困ったら記憶喪失やタイムパラドクスというご都合主義なところがストーリーを通して非常に多くもやもやが結構残る。
FFの象徴である美しいストーリーという観点では微妙である。
なにより、少しネタバレになるがどう進めても幸せになれる未来がない(=バッドエンディングになる)というのもクリアした段階でのもやもやの原因になっている。
次回作(LRFF13)前提の終わり方というのはどうなのだろうか。

あとは地味にタイムパラドクス解消のためのミニゲームが面倒くさい(FF10の寺院の謎解きみたいなやつ)。同じことを何度もやらされるのがつまらない。
ついでにロード後の「これまでのFF13-2」のショートムービーは大体意味がわからないのであれだったらいらないと感じた(早くゲームを始めたい)。

音楽に関しては前作と雰囲気は似ている。雰囲気とはあっているし、特に悪いとは感じないが、心に残っているFF13-2での新曲はなかった。





 

フィールド

おそらくFF13が一本道で寄り道できないフィールドであることに対する批判に対応するために今作では自由に動けるフィールドにしたのだろう。
だがユーザーが求めているのは本当にこれなのだろうか?
筆者としてはFF13の章毎のダンジョン(フィールド)を一本道ではなく自由に行き来できるようにしただけに見える。
そういうことではなく、フィールドとフィールドの繋がりが大事で自分が今、世界のどこを探索しているのかが感覚でわかることがRPGとしては大事なのでは?と思う。
フィールドが点と点で存在するのではなく線でつながっているという感覚がほしい。
そういった意味で、FF13-2のフィールドもFF13と同じで微妙と感じてしまう。
そして、FF13-2の場合は時代を行き来する影響で同じフィールドを他の時代でも訪れる必要があり、時代に依ってフィールドが大きく変わっているようであれば良いが、大体のフィールドはほぼ同じなので、同じダンジョンを何度も来ないといけない感じで面倒くさいと感じてしまった。
どこでもセーブができるようになったのは良いが、ショップであるチョコリーナがなぜどこにでも存在できるかなど世界観的によくわからないことは多い。





 

バトル・成長システム

基本的なバトルシステムはFF13と同じである。オプティマチェンジ(今作ではパラダイムシフトと呼ばれている: なぜ名前を変えたのかはわからない)で戦略を変えながら戦っていく。
FF13をプレイした人なら特に迷うことも無いだろう。
魔法や技などのバリエーションや効果も基本変わっていないしUIもそんなに変わっていない(あの見ずらい数字やチェーンゲージ・ブレイクなどのシステムも変わっていない)。
変わった点といえば、仲間モンスターの導入である。某有名なRPGのように仲間モンスターを1匹パーティーに参加させることができる。
パーティーメンバーはノエルとセラが基本固定(イベントなどで一時的に片方離脱はあり)で3人目(3匹目?)でモンスターを加えられる。
逆に言うとメインキャラクターが2人しかいないので仲間モンスターを加えないと3人パーティにできず戦闘は不利になる。
仲間モンスターは敵を倒すと一定確率で仲間になる(これも某RPGと同じ)。
ロールはFF13と同じ6種類であり、ノエルとセラはすべてのロールを取得可能である。
一方でモンスターはモンスターの種類ごとに1つのロールが固定されており、変更することはできない。なのでオプティマチェンジ(パラダイムシフト)でモンスター枠のロールを変更するためにはモンスター自体を入れ替えることになる。セラとノエルはオプティマごとにロールを設定するがモンスター枠はモンスター自体をセットできる。(セットできるモンスターは最大で3匹、予め選んでおく必要がある)
モンスター含め、各キャラクターはFF13と同じくクリスタリウムを成長させることでHPなどのステータスやアビリティを取得することができる。
FF13と同じでクリスタリウムはやり直しが効かない。特に本作は全てのロールをマスターしたとしてもクリスタリウムの進め方で最終能力値が変わってしまうのでやり直しが効かないのはなんとかしてほしいと思った。

ここまで見るとそんなにFF13と変わらないのでは?と感じるかもしれないが、感覚的にはぜんぜん違う。
簡単に言うと「FF13のスリリングで緻密な戦略が必要なバトルはどこ行った?」である。
FF13は死にゲーと言われるほど、戦略や作戦の切り替わりのタイミングなどで戦況が大きく変わり、ちょっと気を抜くとすぐに全滅ということがあり得た。
敵の弱点や行動パターンを吟味して適切なオプティマで対処し、戦況に応じて素早くそれを切り替える必要があり、戦略的で非常に楽しかった。
今作はどうかというと、難易度が下がり、昔のFFのように適当にボタンを連打しておけば勝てる敵が殆どになった。
ノエルとセラは基本的にアタッカーかブラスターでピンチになったときだけヒーラーに切り替えるみたいな単純なゲームに成り下がってしまった。
原因としてはエンハンサーとジャマーがほとんど役立たずになったことだ。そもそも主人公二人はエンハンサーとジャマーのアビリティが全然充実しておらず、どちらもヘイスト、ブレイブ、エン〇〇などの強力なものは使えないわ、アビリティがそれぞれのキャラクターに分散していて中途半端だわ、そもそも強化・弱体しなくても全然敵を倒せちゃう強さに設定されているわであんまり意味をなしていない。
そうなると攻撃か回復かまれに防御のパターンしか無いため、戦略のバリーエーションがほとんどなくなってしまう。
結果としてシステムはFF13とほぼ同じなのにFF13のバトルの楽しさを失っただけ、になってしまった。
ここは期待していただけに非常に残念である。

他にはFF13がシンボルエンカウントだったのに対してFF13-2はランダムエンカウントっぽいものに変わっている。
歩いていると目の前にランダムに敵が湧いてくる感じで逃げるという選択肢もあるため完全なランダムエンカウントではないにしろ、どこに湧いたのか分かりづらく頻度も高いので非常にうざいと感じた。





 

ボリューム・難易度

本編のクリアだけであればボリュームとしてはそこまで多くはないが、たくさんの寄り道クエストがあり、やりこみ要素としてそれらをすべてクリアしようとするとそれなりなボリュームになる。
地図のミッションと図鑑のミッションのフラグメントの入手以外の状態でDLCも全てクリアしてプレイ時間は70時間弱程度だった。
(その時のステータス↓)

本編のクリアだけであればそれよりもだいぶ未時間時間で可能である。やりこみを含めるとFF13のほうが長く楽しめるとは思う。
FF13に比べて全体的な難易度もそこまで高く設定されていないため割りとクリアまではスムーズに進める。セーブがどこでも可能になったほかバトルに負けてもバトル前に戻れる機能は健在のためそれも難易度を下げる要因になっている。





 

総評

FF10-2のようにやはりオリジナルが素晴らしい作品の続編は残念感が出てしまうというジンクスは覆せなかった、といった感じである。
FF10-2ほどオリジナルの世界観などは破壊していないものの、オリジナルの良かったところ、本作の場合は特にバトル面とキャラクターが絡むストーリー面でオリジナルから劣ってしまって残念感がある。
FF13をやった人であればプレイするのは良いと思うが期待をするのはやめたほうが良いしおすすめするほどではないと感じた。
オンライン作品(FF11,14)以外のFF1-15で私が順位付けするとしたら、以下になる。
FF10 > FF6 > FF4 > FF13 > FF7 > FF5 > FF12 > FF9 (> FF13-2 >) FF3 > FF8 > FF1 > FF2 (> FF10-2)

総合評価: ★★☆☆☆
ストーリー: ★★☆☆☆
世界観: ★★★☆☆
システム/UI: ★★★☆☆
音楽: ★★★☆☆
グラフィック: ★★★★★
キャラクター: ★★☆☆☆
ボリューム: ★★★☆☆



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投稿日: 2023年4月19日





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