WindowsにLaTeX+エディタ(TeXstudio+TeXworks)を導入する方法
※TeX Liveを使ったより簡単で新しい記事があります。そちらの設定方法の方がおすすめです。
LaTeXはデザインに気を使わずに綺麗に文書を作成するのに最適な環境である。
しかし、その導入は敷居が少し高いので、ここにWindowsにLaTeX環境を整える方法を記す。
この記事ではTeXインストーラ3でLaTeXをインストールし、TeXstudioをエディターとして導入し使える状態に設定する。
なお、画面はWindows10 64bitでの例を示しているが、Windows7, 8, 8.1でも同様に導入が可能である。
※TeX Liveを使ったより簡単で新しい記事があります。そちらの設定方法の方がおすすめです。
TeXインストーラ3でLaTeXをインストールする
まずはベースとなるLaTeXと、その基本的なエディターであるTeXworksをTeXインストーラ3を用いてインストールする。
※環境によって順番が入れ替わったり表示されない項目がある可能性があります。その場合はそれに合わせて手順を入れ替えたりスキップしたりして対応してください。
- TeXインストーラ3のダウンロードする。
こちらのサイトの「TeXインストーラ3」と書かれている所をクリックしてダウンロードして適当な場所に保存する。
ダウンロードされたファイルは「abtexinst_*.zip」(*はバージョン)となる。 - ダウンロードしたファイルを解凍する。
ダウンロードした「abtexinst_*.zip」を適当な場所に解凍(展開)する。(エクスプローラーで開いて全て展開するのが簡単) - インストーラーを実行する。
解凍して出来た「abtexinst」フォルダ内の「abtexinst.exe」を実行する。(管理者権限が必要) - 最初の画面では「次へ」を選ぶ。
- 次の画面(W32TeXの設定)では何も設定を変えずに「次へ」を選ぶ。
ここでインストール先などを変更することが可能だが、そのままにしておく。
- 次の画面(dviout, Ghostscript, GSviewの設定)でも「次へ」を選ぶ。
- その他のソフトのインストール設定も「次へ」を選ぶ。
なお、ここでエラーが発生してしまう場合は、手順5, 6に戻っての青い枠で囲まれたURLを色々変えてやってみると上手くいくかもしれない。 - 少し待つと下の図のような画面が出てくる。
W32TeX(黄色い枠の所)に全てチェックが入っていることを確認し、入っていなければ入れる。
他のところは設定を変えずに「次へ」を押す。
なお、ここでエラーが発生してしまう場合は、手順5, 6に戻っての青い枠で囲まれたURLを色々変えてやってみると上手くいくかもしれない。 - 「次へ」を押す。
TeXworksはインストールしなくても良いが、入れておいて損は無いのでそのままチェックを入れたまま「次へ」を押す。
- ファイルのダウンロードとインストールが始まるのでしばらく待つ。
- Ghostscriptのインストール画面が出たら「Next」を選ぶ。
- 「I Agree」を選択。
- 設定は変えずにそのまま「Install」を押す。
- Ghostscriptのインストールが終わると次のような画面が出てくるので「Show Readme」のチェックを外して「Finish」を押す。
- 次にGSviewのインストーラーが立ち上がるので「Setup」を選択する。
- 「English」を選択する。
- 「Next」を押す。
- 更に「Next」を押す。
- 上のチェックだけ入っている状態で「Next」を押す。
- インストール先を変えずに「Next」。
- 「Next」。
- 全てにチェックが入っていることを確認して「Finish」。
- インストールが終わるとエクスプローラーが立ち上がり「Ghostgum」フォルダが開かれるが、邪魔なので閉じても良い。
「Exit」を押す。
- dvioutのインストール先を聞かれるので、何も変えずに「OK」を選択。
- dvioutのインストールが終わり、次のような画面が出たら「完了」を押す。
- 再起動をするか聞かれるので「はい」を選んでPCを再起動する。
以上でTeXインストーラ3によるLaTeXのインストールが完了した。
設定が済んだTeXworksもインストールされているため、TeXworksを起動すればそのまま使うことが出来る。
TeXstudioの導入と設定
TeXworksだけでも使えるが、キーワード自動補完機能や差分表示機能、数式プレビュー機能などを備えたTeXstudioを導入すると作業効率が高まる。インストールは簡単だが、設定が厄介なので注意する必要がある。
※TeXインストーラ3のインストール後に必ずPCを再起動してから行う。
- TeXstudioのインストーラーダウンロードする。
こちらのサイトのDownload nowと書かれている所をクリックしてダウンロードして適当な場所に保存する。 - ダウンロードしたファイルを実行する。
「texstudio-*-win-*.exe」(*はバージョン)というファイルを管理者権限で実行する。 - 日本語で「OK」。
- 「次へ」を押す。
- インストール先を変えずに「次へ」を押す。
- 何も考えずに「次へ」を押す。
- デスクトップにアイコンを作成するはチェックを入れたければ入れる。下の2つはチェックを入れた方が良い。
「次へ」を押す。
- 「インストール」を押してインストール開始!
- 「完了」を押してTeXstudioを立ち上げる。
- 本来であれば、「オプション」->「TeXstudioの設定」->「コマンド」をここに従って設定する必要があるが、面倒くさいので、予め設定されたファイルからインポートすることにする。
このページからTeXstudioプロファイル(profile.txsprofile)のダウンロードを押してzipファイルをダウンロードし、適当な場所に保存する。 - ダウンロードしたzipファイルを適当な場所に解凍(展開)する。
「profile.txsprofile」というファイルが出てくる。 - TeXstudioの「オプション」->「プロファイルの読み込み」を押す。
- 先程ダウンロードした「profile.txsprofile」を選択して開く。
これで設定完了! コンパイル出来るはずである。
これはあくまで私の環境での設定なので、それぞれの環境に合わせた細かい設定は、各自行ってください。
試しにサンプルコードをコンパイルして表示する
これでLaTeX環境が整ったはずなのでサンプルコードをコンパイル出来るか確かめる。
まずは「ファイル」->「新規作成」を選んでテキストが編集できる状態にする。
次に下のコードをコピーして貼り付ける。
そして「F5」を押して右側の画面にコンパイル結果が表示されることを確認する。
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\documentclass[a4j,12pt]{jarticle} \usepackage{ascmac} \title{\LaTeX サンプルコード} \author{http://kzmmtmt.pgw.jp} \date{\西暦\today} \begin{document} \maketitle \tableofcontents \section{章} これが章です。 \subsection{節} これが節です。 \subsubsection{小節} これが小節です。 \section{箇条書き} \begin{itemize} \item 普通の箇条書きです。 \item \textbf{太字もできます。} \end{itemize} 以下のように番号付きの箇条書きも出来ます。 \begin{enumerate} \item 起きます。 \item 食べます。 \item 寝ます。 \item 太ります。 \end{enumerate} \section{数式} 数式をきれいに出力できます。 \begin{equation} \label{オイラー} e^{i\theta}=\cos\theta+i\sin\theta \end{equation} \begin{equation} \label{球} V=2\pi\int_{0}^{r}y^2\textrm{d}x \end{equation} 式\ref{オイラー}はオイラーの公式、式\ref{球}は球の体積の式です。 \section{囲み} \begin{screen} 寿限無、寿限無\\ 五劫の擦り切れ\\ 海砂利水魚の\\ 水行末 雲来末 風来末\\ 食う寝る処に住む処\\ 藪ら柑子の藪柑子\\ パイポ パイポ パイポのシューリンガン\\ シューリンガンのグーリンダイ\\ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの\\ 長久命の長助\\ \end{screen} \end{document} |
下記画像の様に表示されたら成功である。
それでは良いTeXライフを!!!
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タグ: LaTeX, Windows
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