WindowsにLaTeX+TeXstudioを導入する方法 (TeX Liveを利用)
LaTeXはデザインに気を使わずに綺麗に文書を作成するのに最適な環境である。
しかし、その導入は敷居が少し高いので、ここにWindowsにLaTeX環境を整える方法を記す。
以前の記事(WindowsにLaTeX+エディタ(TeXstudio+TeXworks)を導入する方法)ではTeXインストーラ3を用いたインストール方法を紹介したが、今回はそれよりも導入が簡単なTeX Liveを用いた導入方法を記す。
なお、画面はWindows 7での例を示しているが、Windows 8, 8.1, 10でも同様に導入が可能である。
TeX Liveの導入
※インストールがうまくいかない時はセキュリティーソフトが原因の場合がある。インストール時のみリアルタイムスキャンの機能を切ってみたり、ホワイトリストに追加したりすると上手くいくかも。
※インストールにはインターネットへの接続が必要です。
- TeX Liveのインストーラーをダウンロードする。
TeX Live公式サイトの「install-tl-windows.exe」と書かれている所をクリックしてダウンロードしてデスクトップなどの適当な場所に保存する。
- ダウンロードしたインストーラーを管理者権限で実行する。
管理者権限で実行しなくてもインストールは可能だが、他のユーザーから実行できないなどの制限がかかってしまうので、管理者権限でインストールしたほうが良い。
やり方は、install-tl-windows.exeを右クリックして、「管理者として実行(A)…」を選択するだけである。
- 「Custom install」を選択して「Next >」を押す。
インストーラーが立ち上がったら、インストール方法を聞かれる。色々と余計な物を入れられても使わないので、カスタマイズ出来るように「Custom install」を選択して「Next >」を押す。
- 「Install」ボタン押す。
解凍が始まる。解凍が終わるまで待つ。
- 出てきたダイアログで「続行」を選択。
解凍が終わると、新しいウィンドウが出現し、「インストール中にトラブルが発生した場合はセキュリティソフトのスキャンを無効にしてやってみてください。」という内容のダイアログが開かれる。
「続行」を押さないと始まらないので押す。
- 設定のメイン画面で、「—–詳細設定—–」->「導入対象コレクション」の右にある「変更」ボタンを押す。
これを行うことで、不要なパッケージのインストールを防ぎ、容量とインストール時間の削減ができる。
全部入れたい人は別に変更しなくても良い。
- 「導入対象コレクション」というウィンドウが開かれる。
- いらなそうなものはチェックを外しておく。
例えば、日本語、英語でしか論文を書かないのであれば、下の図のように「日中韓(base)」「日本語」「英語・米語」以外の言語パッケージは要らない。
また、エディターとして後にTexstudioを導入するので、「TeXworksエディタ」のチェックも外す。
よくわからなければ下の図と同じようにしておけば問題はないはず。(必要かわからないものは一応チェックを入れておいたほうが良い。)
終わったら「OK」を押してダイアログを閉じる。
- メイン画面で好みに合わせて設定を変える。
ディレクトリの設定はデフォルトのままでいじらないほうが良い。(いじっても問題はないが)
オプションに関しては、「レジストリのPATH設定を調整する」を「はい」、「メニューショットカットを追加」を「TeX Live menu」、「全ユーザー用に導入」を「はい」、「TeXworksフロントエンドを導入」を「いいえ」にするのがおすすめである。(図を参照)
文字の右側のボタンを押して設定を切り替えることが出来る。
設定が終わったら、「TeX Liveの導入」ボタンを押してインストールを開始する。
- インストールが開始される。
終わるまで待つ。
- インストールが終わったら、「終了」ボタンを押してメインの画面を終了する。
- 裏で動いている「TeX Live installer」が終了したら「Close」ボタンを押す。
裏で動いている「TeX Live installer」が「Completed」と表示されるまで少し時間がかかるかもしれないが、待つ。
「Close」ボタンを押してTex Liveのインストールが終了である。
これでTeX Liveのインストールは完了。
念のためにPCを再起動することをオススメする。
※ここからは以前の記事(WindowsにLaTeX+エディタ(TeXstudio+TeXworks)を導入する方法)と同様である。以前の記事をここ以下にコピーする。
TeXstudioの導入と設定
ここまででLaTeXは導入されたので、コマンドラインとエディタを駆使すれば、文書を作成できるが、キーワード自動補完機能や差分表示機能、数式プレビュー機能などを備えたTeXstudioを導入すると作業効率が高まる。
インストールは簡単だが、設定が厄介なので注意する必要がある。
- TeXstudioのインストーラーダウンロードする。
こちらのサイトのDownload nowと書かれている所をクリックしてダウンロードして適当な場所に保存する。 - ダウンロードしたファイルを実行する。
「texstudio-*-win-*.exe」(*はバージョン)というファイルを管理者権限で実行する。 - 日本語で「OK」。
- 「次へ」を押す。
- インストール先を変えずに「次へ」を押す。
- 何も考えずに「次へ」を押す。
- デスクトップにアイコンを作成するはチェックを入れたければ入れる。下の2つはチェックを入れた方が良い。
「次へ」を押す。
- 「インストール」を押してインストール開始!
- 「完了」を押してTeXstudioを立ち上げる。
- 本来であれば、「オプション」->「TeXstudioの設定」->「コマンド」をここに従って設定する必要があるが、面倒くさいので、予め設定されたファイルからインポートすることにする。
このページからTeXstudioプロファイル(profile.txsprofile)のダウンロードを押してzipファイルをダウンロードし、適当な場所に保存する。 - ダウンロードしたzipファイルを適当な場所に解凍(展開)する。
「profile.txsprofile」というファイルが出てくる。 - TeXstudioの「オプション」->「プロファイルの読み込み」を押す。
- 先程ダウンロードした「profile.txsprofile」を選択して開く。
これで設定完了! コンパイル出来るはずである。
これはあくまで私の環境での設定なので、それぞれの環境に合わせた細かい設定は、各自行ってください。
特に外部PDFビューアーのパスの設定やキーのショートカット(割当)などは設定し直したほうが良いです。
試しにサンプルコードをコンパイルして表示する
これでLaTeX環境が整ったはずなのでサンプルコードをコンパイル出来るか確かめる。
まずは「ファイル」->「新規作成」を選んでテキストが編集できる状態にする。
次に下のコードをコピーして貼り付ける。
そして「F5」を押して右側の画面にコンパイル結果が表示されることを確認する。
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\documentclass[a4j,12pt]{jarticle} \usepackage{ascmac} \title{\LaTeX サンプルコード} \author{http://kzmmtmt.pgw.jp} \date{\西暦\today} \begin{document} \maketitle \tableofcontents \section{章} これが章です。 \subsection{節} これが節です。 \subsubsection{小節} これが小節です。 \section{箇条書き} \begin{itemize} \item 普通の箇条書きです。 \item \textbf{太字もできます。} \end{itemize} 以下のように番号付きの箇条書きも出来ます。 \begin{enumerate} \item 起きます。 \item 食べます。 \item 寝ます。 \item 太ります。 \end{enumerate} \section{数式} 数式をきれいに出力できます。 \begin{equation} \label{オイラー} e^{i\theta}=\cos\theta+i\sin\theta \end{equation} \begin{equation} \label{球} V=2\pi\int_{0}^{r}y^2\textrm{d}x \end{equation} 式\ref{オイラー}はオイラーの公式、式\ref{球}は球の体積の式です。 \section{囲み} \begin{screen} 寿限無、寿限無\\ 五劫の擦り切れ\\ 海砂利水魚の\\ 水行末 雲来末 風来末\\ 食う寝る処に住む処\\ 藪ら柑子の藪柑子\\ パイポ パイポ パイポのシューリンガン\\ シューリンガンのグーリンダイ\\ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの\\ 長久命の長助\\ \end{screen} \end{document} |
下記画像の様に表示されたら成功である。
それでは良いTeXライフを!!!
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タグ: LaTeX, Windows
コメント (3)
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